2009年度の活動だより

●11月7-8日
日本爬虫両棲類学会報 第48回大会
会場:天理大学体育学部キャンパス

ポスター発表
小菅康弘(カメネットワーク)・小林頼太(東大・農学生命科学)
「千葉県における傷を負った在来淡水性カメ類の分布と哺乳類の関係性」

●8月29-30日
第11回日本カメ会議 in大阪
会場:大阪府茨木市の天王地区公民館
主催:和亀保護の会/日本カメ自然誌研究会

口頭発表
小菅康弘(カメネットワークジャパン)
『続報 在来淡水性カメ類が直面した新たな危機』
小林頼太(東京大学農学部,NPO法人カメネットワークジャパン)
『淡水性カメ類の被食事例:千葉県での発生状況』

●5月15-16,6月27-28,8月22-23
特定非営利活動法人アースウォッチジャパン 国内プロジェクト
「多摩川・鶴見川の淡水ガメ」

調査者:小菅康弘、小林頼太(東京大学・外来亀対策委員会)
スタッフ:庭野裕(東邦大学地理生態学研究室)
      今津健志(明治大学大学院応用植物生態学研究室)
      青山正志(東邦大学地理生態学研究室)
      津吹真(東邦大学)
      近藤めぐみ(カメネットワークジャパン)

過去に定量的な調査が行われていなかった、淡水性カメ類の都市河川での具体的な生息分布などを明らかにすることを目的とした、今年度から開始したプロジェクト。
5月8月9月は多摩川の支流で、6月のみ鶴見川の支流でワナかけによる調査を行いました。

(写真↓はボランティアもスタッフも胴長をはいて川へ入って移動している時の様子)

(写真↓は捕獲されたクサガメ)


●3月22日
千葉県の生物多様性保全を考える連携シンポジウム
「県内でのアライグマの分布拡大と在来淡水性カメ類の深刻な捕食被害」
会場:千葉市ビジネス支援センター(きぼーる13F会議室2・3)
共催:東邦大学・NPO法人カメネットワークジャパン・千葉県
後援:NPO法人アースウォッチ・ジャパン・(財)日本自然保護協会 (財)自然環境研究センター

1)小菅康弘(カメネットワークジャパン)
事例紹介:「千葉県での哺乳類が原因とみられる淡水ガメ大量死の発見」
2)篠原栄里子(千葉県環境生活部自然保護課生物多様性戦略推進室)
「特定外来生物アライグマ 千葉県での分布拡大の現状と対策」
3)小賀野大一(東邦大学理学部訪問研究員)
「房総丘陵の小河川上流域で確認されたニホンイシガメの深刻な被害」
4)小林頼太(東京大学農学部生物多様性科学研究室)
「千葉県におけるカメ類捕食被害の発生規模~広域パターンからの報告~」
パネルディスカッションでは、生物多様性を保全するための千葉県での取り組みについて考えました。
 

近年千葉県内ではアライグマの生息数・生息範囲が拡大してきており、農業や生活被害、文化財への影響等深刻な問題となっています。
2008年に君津で行われたカメネットワークジャパンによる調査では、ニホンイシガメを含めた淡水性カメ類の死骸が大量に発見されるなど不可解な生態系への被害が現れてきました。今年度これらの2つの事柄の因果関係を明らかにするために調査が始まりました。これらの調査で明らかとなってきた現状を小菅と小林が報告してきました。パネルディスカッションでの議論も大変活発でした。


●2月14日
TBSラジオ(954kHz) 土曜ワイドラジオTOKYO -永六輔その新世界-
『日本のカメを守れ!激減する固有種の危機』

2月14日、8時半よりスタートの上記番組内で、9時30分頃、10時40分頃、12時10分頃の3回、各回約5~8分ほど調査の様子をラッキィ池田さんが実況中継してくれました。ラッキィ池田さんと小管とのやり取りを中心に、スタジオの永六輔さんとのやり取りがあるなど、充実した内容でした。


●2月12日
東京新聞 朝刊掲載
「在来カメが消える 楽園の水辺減少 強力外来種の脅威」

2月7日に行われた君津市での調査の様子を東京新聞の記者の方が取材をされ小菅へのインタビューの内容などが2月12日の朝刊に掲載されました。


●2月7~8,14~15日
特定非営利活動法人アースウォッチジャパン 国内プロジェクト
「イシガメの保全の国内調査」 in 千葉県君津市

調査者:小菅康弘、小林頼太(東京大学・外来亀対策委員会)
スタッフ:石川 昭(調査地の地元の方代表)
      齊藤貞夫(調査地の地元の方代表)
      西堀智子(和亀保護の会)
      今津健志(明治大学大学院応用植物生態学研究室)
      津吹 真(東邦大学)
      片岡智美(生態工房)
      佐藤方博(生態工房)

1997年から継続して行われている水田・用水路・河川に生息するニホンイシガメとクサガメの調査で、アースウォッチジャパン国内プロジェクトとしては3年目となりました。1年前2008年に起こった哺乳類が原因とみられるイシガメ、クサガメの大量死のような被害が懸念されていましたが、今回の調査ではそのような影響は特に目立ちませんでした。今後も引き続き調査を継続していきます。2月7日には東京新聞の記者の方の取材を受けました。2月14日には、TBSラジオの生中継が行われ、同時にフジテレビ報道局の取材を受けました。 いずれの記者の方も取材と同時に手探りでの調査を手伝っていただきました。