日本に生息する淡水性カメ類は、イシガメ、クサガメ、ヤエヤマセマルハコガメ、リュウキュウヤマガメ、ミナミ イシガメ、ヤエヤマイシガメ、ニホンスッポンの2科5種2亜種である。
 そのうち琉球列島に分布する固有種のリュウキュウヤマガメとヤエヤマセマルハコガメが環境省のレッドリストで 絶滅危惧Ⅱ類(VU)絶滅の危険が増大している種に指定されている。また本州に分布する固有種であるイシガメは 東京都ではレッドリストではランクA絶滅の危機に瀕している種に指定されているのをはじめ、千葉県のレッドリス トでランクBの重要保護生物に、大阪府では要注目種に指定されおり、各地で個体数が減少している。
 クサガメについては朝鮮半島や中国の南部にも分布しているが、中国では漢方や美容に利用されていることから人 為による捕獲圧で、国内では生息地である河川や田圃などの環境の改変によって国内外で個体数が減少している。

 このように日本に分布する淡水性カメ類は貴重でありながら絶滅の危機が増大している動物群である。そこで私た ちは「特定非営利団体カメネットワークジャパン」を設立して、淡水性カメ類を取り巻く自然環境の保全というテー マに関して、淡水性カメ類の保護や研究活動を行っている民間団体及び個人、または関連機関、並びに淡水性カメ類 が生息する田圃や河川などで農業や水産業に従事されている個人および団体などと相互の連絡を図りながら、淡水性 カメ類の研究及び保護活動を育成・発展させることを目的として環境の保全を図る活動として広く貢献しようとする ものであります。

 しかし、活動を実施する上で不動産など資産の保有や様々な契約の際に支障がでることも予想されるため、法人化 は急務です。ただし、この会は営利を目的とする団体ではないので、会社法人は似つかわしくありません。また、淡 水性カメ類の保護や研究活動を行っている民間団体及び個人、または関連機関、田圃や河川などで農業や水産業に従 事されている個人および団体などと利益を目的としない広い連携を図って活動していくため、特定非営利活動法人の 設立が望ましいと考えています。