1・2月、水温が8度を超えることがあまりないころ、カメたちは池や谷川の水底の落ち葉の下や、川の水 の浸食によってできた川岸の土手にできた水中の横穴などに潜んでいます。動き回る姿はほとんどありません。  3月中旬を過ぎてからカメたちは活動をし始めます。はじめはエサはほとんどとらず、晴れた日に日光浴を して過ごします。このころから4月にかけて暖かくなるにつれ、水温が上がってくるとよく食べようになり 成長も始まります。4月下旬から5月上旬、田んぼに水が入り、田植えが始まります。このころになると、 田んぼの泥の面に、幅10センチくらいの帯が何本も描かれているのが見つかることがあります。帯の中央に は一本の線が引かれ、その両側には小さな丸いくぼみが規則正しく並んでいます。カメたちが、池や谷川から 夏を過ごす水田へとやってきたのです。帯は腹甲の跡、一本の線はしっぽを引きずった跡で、丸いくぼみは足 跡です。
 6月~8月には、晴れ排た日には日中の水温が30℃を超えることもあるので、ひんやりとした泥の中に もぐって暑さをしのぎます。動き回ってエサをとったりするのは明け方と日暮れ時が中心となります。
 9月になると、稲刈りが始まりまり、田んぼから水が抜かれます。そこでカメたちは谷川や池など水のある ところへ移動します。10月は求愛行動が一番多い時期です。求愛行動・交尾は12月上旬ごろまでだらだら と続きます。
 11月12月になると、水底に隠れていることが多くなります。それでも日中の水温が上がる時間帯には水 中をうろうろしたり、日のあたる場所で日光浴していることもあります。